オーストラリア 留学支援 iaeメルボルン支店 ▸ 留学生インタビュー ▸ 滝口 貴志さん [ 大学 ]
オーストラリア留学生インタビュー

オーストラリア大学
[ 留学先にLa Trobe大学を選んだ理由は? ]
社会福祉に興味を持った一番のきっかけは、ワーキングホリデー時代に知り合った友人の一人がホームレスだったことです。まだ20代前半の友達で、大学も出ている人がホームレスになるという現実を目の当たりにして、オーストラリアのソーシャルシステムとそれにかかわる政治・経済への興味が一気に沸きたってきました。また、もともと、草の根レベルで人をサポートできる仕事をしたいと思っていた時期だったので、「これが自分のやりたいことだ」という感じで、大学留学を決意しました。
ラ・トローブ大学を選んだ理由としては、大学入学までにオーストラリアの友人・知人にどの大学がいいか、チャンスがあるたびに聞いていました。多くの人がLa Trobeを名指しで推薦されていたのを聞いて、自分もチャンスがあればその大学で勉強したいと思いはじめました。最終的に入学が認めらて2年間の留学を同大学で果たすことができました。あとでわかったことですが、社会福祉を提供する各大学で、La Trobe大学が一番幅広くいろいろな教科をオファーしている大学のひとつと知りました。社会福祉の経験も知識もない自分にとっては広く基礎から学べる大学という意味で、一番良い選択だったと思います。
[ 同大学を選んで良かったと思うことは? ]
提供している教科の幅広さもさることながら、各教師人、サポート体制、クラスの大きさなどもとても満足しています。クラスは全体で200人くらいでもちろん日本人は一人でした。海外留学生も自分を入れても3人だけで、最初のうちは英語の問題、今まで社会福祉の知識がまったくない点など不安なことばかりでした。幸運なことに、社会福祉学科専属のESLスタッフ(英語を母国語としない生徒のサポート要員)が1人、Social Science(社会科学学部)という大きな枠でもESLスタッフが一人いましたし、各教授ともアポイントさえとれば毎週でもフォローアップを喜んでしてくださったことはLa Trobeを選んでよかったと思える一番の点です。いずれのセッションでも1対1で話ができたので、授業で理解できなかった内容を確認したり、課題の要点を話し合ったりと、本当にサポートされているという感じが強かったです。それがあったからこそ、最後までやってこれたのだと思います。
[ 実習はどのような感じでしたか? ]
実習は3ヶ月の無給実習が9月から12月までびっしり、3年生時と4年生時にありました。(3年生へ編入しました。)3年生の時は里親エージェント(Foster Care Agency)で実習をしました。当時はまだ英語もろくに話せず、これといって自信を持ってできる仕事なんてまったくありませんでした。Supervisorの方がとても良い方だったので、何とかPassできたものの、本当にこれでソーシャルワーカーになれるのかと不安がいっぱいでした。4年生時には自分の希望の分野が選べるのでホームレスを対象とするHousing Agencyで実習をしました。まず、始めに思ったのはクライアント層の特徴です。その中には、Asylum Seeker(避難民)の方もいますし、家庭内暴力から逃げてきた家族、実家を追い出された同性愛者など、いわゆる日本で言われるホームレスとはクライアント像が全く異なっていたことに驚きました。また年齢層でも30代以下のクライアントが50%を占めます。このような感じで本当に現場に密着した実習をすることで、今何が起こっているか、どのような施策がひかれていて、現在の問題を打開するためにはどのような新しい政策が必要なのかなど、大きな絵で物事を見れるようになったのは、実習のおかげだと思っています。
[ 学校生活でもっとも思い出に残っている点は何ですか? ]
1年目の後期に本当にもうついていけないかなぁって沈んでいたとき輪をかけて一人の先生に「このままだと単位あげることができない」といわれたときは本当につらかったですね。こんなにがんばってやってるのになぁって思いました。その授業はロールプレイをいつも取り入れている授業で、英語を気にしてほとんどロールプレイに参加しなかったために公平な評価ができない、という理由だったみたいですが。そこでいろんな友達やほかの教授とも話をして最終的には「自分のこともできないんじゃ、人は助けれないな」と思うようになって、ある意味吹っ切れたことで、何とか持ち直すことができました。今思うとあれが一番落ち込んだときだったと思うし、逆に、あの時期が一番充実していたころだったかもしれないですね。
[ 海外で社会福祉を目指す人が増えていることについてどう思いますか? ]
とてもいいことだともいます。僕は日本での社会福祉士の現状についてよくわかりませんが、聞くところによるとまだまだプロフェッショナルとしての社会認知は低いと聞いていますし、それゆえ労働条件(長時間労働など)もあまりよくないと聞きます。日本の高齢化社会といわれる差し迫った社会問題ももちろんですが、身体障害者のサポート、同性愛者へのサポート、移民サポート、里親問題などより多様性への理解が求められる時期が来ていると思います。海外でその多様性を学ぶだけでも社会福祉士としての柔軟性と感受性は高められると思いますので、海外で勉強する人が増えているのは本当にいいことだと思います。
[ 留学後の進路、今後の目標を教えてください ]
幸運なことに4年生時の実習先からそのまま仕事をいただいて今はワーカーとして働いています。現在働いているポジションはフロントワークなのでクライアントも毎日変わります。将来は、もう少しケースマネージメントにかかわるポジションで、固定のクライアントと長期間働いてみたいと思っています。その後は、政策ワーカーとして政府の政策委員会や、諸所のポリシーメーカーともうすこし大きな枠でコミュニティーに貢献できていけたらいいと思っています。